抜かない矯正歯科のプロが集結

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総務省の家計調査で品目別の動きを追ってみると、全国で2人以上の世帯の納豆への支出金額は、2007年1月に411円(前年同月比十35・6%)と急増した。 前ページの図旧のグラフからわかるように、納豆への支出金額は、この月のみ突出したのである。
なぜブームが1ヵ月で終わったかと言えば、1月19日には早くも、関西テレビが社内調査の結果として握造の事実を公表したからである。 厳密には「マスコミ依存」の範晴に入らないかもしれないが、出版の世界で見られる「ランキング依存」という現象についても、ここで触れておきたい。

この問題を報じたのは、2008年6月4日にN○Kで放映された「クローズアップ現代」の「ランキング依存が止まらない出版不況の裏側」という特集だった。 昨今、出版社の倒産件数が19年ぶりの高水準になるなど、「出版不況」だとよく言われる。
同番組によると、その裏には、読者の本の選び方が劇的に変化しているという事実がある。 面白そうな本を自分で書棚から探そうとするのではなく、「売上ランキング」を見て、「ランキングの上位に入っている本ならきっと面白いはずだ」という、ある意味で安直なげは値上がりしたものの、増産によって供給過剰の度合いが大きくなってしまった納豆については、逆に値下がりしている(前ページの図加参照)。
2008年3月の全国消費者物価指数によると、豆腐が前年同月比十6.6%、油揚げが同十7.4%であるのに対し、納豆は同▲2.2%。 値下がりはW年2月以降、創ヵ月連続を記録している。
マスコミの虚偽報道が、ある食品の需給バランスを崩してしまい、その結果、価格下落が続くという事態を招いたのである。 日本人はもともと、マスコミ報道に対する関心が諸外国よりも高いようだ。
特に、新聞の影響力には大きなものがある。 日刊紙の発行部数を国際比較した統計を見ると、日本は人口1000人当たり551.2部(10〜14年時点)。
米国が193.2部、英国が289.8部、フランスが163〜5部、ドイツが267.5部となっており(フランスのみ18年で、他は19年)、G7各国の中で断然トップの水準になっている。 日本よりも新聞好きの国にはアイスランドの551.6部(19年)があるが、差はごく小さい。
新聞好きの日本人とマスコミの責任考えに沿って本を買う人が増加しているそうだ。 一方、出版社の経営上の都合から、出版点数は急激に増えている。
だが、書棚の面積が限られている書店としては、取捨選択を厳しく行う必要が常にある。 このため、売れる本は、ランキングを足場にして自己増殖的にますます売れていくが、内容がどんなによくても売れ行きの出足が鈍かった本は、売り場からすぐに消えてしまう。
「書店では、ランキングに入らない本を即座に返品することが常態化している」という。 何とも寂しい話である。
そして、すでに説明したように、景気が悪い時ほどマスコミ報道に国民の関心が集まり、景況感に大きな影響を及ぼす。 個別の買い物についても、マスコミの影響力には非常に大きなものがある。

とすれば、「社会の公器」とされるその責任は重大であり、公正中立な報道がなされるよう、マスコミ関連の仕事に従事する者は、常に高い職業倫理を保ち続けなければならない。 しばらく前に、ルーマニアから興味深いニュースが伝わってきた。
AFP2時事によると、同国の上院は2008年6月筋日、「ルーマニアのすべてのラジオ局とテレビ局のニュース番組は、暗いニュースと同じ割合で明るいニュースも流さなければならない」という趣旨の法案を、全会一致で可決したというのだ。 この法案は、「よくないニュースは人々の健康や生活に取り返しのつかない影響を与える」という理由で、与党である国民自由党と極右の大ルーマニア党の上院議員2人が提案したものだ。
どのニュースが明るくてどのニュースが暗いかという判断は、国が所管する評議会に委ねられる。 しかし、この法案には、ジャーナリストのほか評議会の幹部も「ニュースに明るいも暗いもなく、単に現実を反映しているだけだ」と述べるなど異論が出され、その後、同年7月に憲法裁判所が違憲判決を下した。
そう言えば、日本でも以前、「新聞が経済について暗い話ばかり書くから株価が下がるんだ」という批判が、一部の政治家からマスコミに向けられたことがあった。 仮にそうした批判を受けても、トップから現場の記者まで誰もが正々堂々と反論できるくらい、マスコミ各社は自らの報道内容に自信を持ちたいものである。
また、情報の受け手である国民の側も、マスコミ報道に対する批判的な観察眼を身につけたいものだ。 このあたりについては拙著「デフレは終わらない」(東洋経済新報社)で詳しく説明しているので、関心がある方はそちらをご覧いただきたい。
2008年6月末時点で1504兆円にのぼる、日本の家計金融資産。 日銀が発表した10〜1416月期の資金循環によると、構成としては、次ページの図別に示したように、現金・預金の割合が引き続き半分を超えている(97〜2%)。
次に多いのが保険・年金準備金(84・7%)。 株式・出資金は9.5%、投資信託は4.4%にすぎず、個人向け国債を含む債券も2.9%と、シェアは小さい。
一方、いつも日本と対比される米国では、家計金融資産は同じ時点で“・3兆ドル。 うち現金・預金は18・6%にすぎず、保険・年金準備金が25・4%。
株式・出資金が9・7%で日本の約3倍、投資信託が8・1%でこれも日本の約3倍。 さらに債券が9.0%となぜ米国人を真似する必要があるのか米国人は日本人よりも、マーケットでリスクをとって運用していることがわかる。

「だから日本人は米国人のように、もっと株式や投資信託で運用すべきだ」。 そう主張するのは実に簡単なことだが、筆者自身は生活者感覚からも、長くマーケットを見てきた立場からも、それに対して抵抗感がぬぐえないのである。
そもそも、基本的な疑問として、何でも米国に合わせようとする発想自体、いかがなものかと思う。 リスクをとって多くの資産を運用し、現金・預金が少ないという米国人の「過少貯蓄」の傾向は、彼らの「過剰消費」の裏返しである。
詳しくは第7章で説明するが、この過剰消費体質は大問題であり、そのせいで米国経済には、トランプで作った「カードの城」のような脆い面がある。 日本で「リスク資産投資へ」という大きな流れができたのは、2002年6月のこと。
当時の小泉内閣は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」、いわゆる「骨太の方針」で、「預貯金中心の貯蓄優遇から株式・投信などへ提言している。 これを受けて金融庁は「証券市場の改革促進プログラム」を策定。
1誰もが投資しやすい市場の整備、2投資家の信頼が得られる市場の確立、3効率的で競争力のある市場の構築、の3点を柱に据えた。 その後も政府は、2008年度の「経済財政白書」で、日本経済の成長力を高めるために家計に積極的なリスク資産投資を求めるなど、「リスク対応力」の強化が急務であるとの投資優遇への金融のあり方の転換を踏まえた直接金融へのシフトに向けて、個人投資家の証券市場への信頼向上のためのインフラ整備など、証券市場の構造改革を一層推進していく」という方針を調い上げた。


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